アホウドリ
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アホウドリ | ||||||||||||||||||||||||
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アホウドリ Diomedea albatrus | ||||||||||||||||||||||||
保全状態評価 | ||||||||||||||||||||||||
VULNERABLE (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | ||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Diomedea albatrus Pallas, 1769 | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
アホウドリ | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Short-tailed albatross Steller's albatross |
アホウドリ(阿呆鳥[1]、信天翁[1]、Diomedea albatrus)は、動物界脊索動物門鳥綱ミズナギドリ目アホウドリ科アホウドリ属に分類される鳥類。
目次 |
分布
夏季はベーリング海やアラスカ湾、アリューシャン列島周辺に渡り、冬季になると繁殖のため日本近海へ南下する。[3]現在は鳥島と尖閣諸島南小島でのみ繁殖が確認されている。[2][4][5][6][7]
形態
全長84-100cm。[3][6]翼開張190-240cm。[2][4][6]体重3.3-7kg。[2]全身は白い羽毛で被われる。[2]後頭から後頸にかけて黄色い羽毛で被われる。[2][3][6]尾羽の色彩は白く、先端が黒い。[2][3][5][6]翼上面の大雨覆の一部、初列風切、次列風切の一部の色彩は黒く、三列風切の先端も黒い。[4][6]翼下面の色彩は白いが外縁は黒い。[2][3][4]
嘴の色彩はピンク色[2][3]で、先端は青灰色。[4][6]後肢の色彩は青灰色[6]で、水かきの色彩は黒い。[4]
雛は全身が黒や灰色の綿羽で被われる。[2][7]幼鳥は全身が黒褐色の羽毛で被われ、成長に伴い白色部が大きくなる。[3][4][5][6]
生態
食性は動物食で、魚類、甲殻類、軟体動物[5]、動物の死骸を食べる。[2][7]水面近くや水面に浮かんでいる獲物を水面に飛翔しながら降りて捕らえる。[2][7]
繁殖形態は卵生。集団繁殖地(コロニー)を形成する。[2]頸部を伸ばし[2]ながら嘴を打ち鳴らし(クラッタリング)[3]て求愛する。斜面に窪みを掘った巣に、10-11月に1回に1個の卵を産む。[2][5]雌雄交代で抱卵し、抱卵期間は約65日。[2]雛は翌年の5-6月に巣立つ。生後5-10年以上で成鳥羽に生え換わる。[6]
人間との関係
羽毛が羽毛布団に利用される事もあった。[7]
羽毛目的の乱獲により生息数は激減した。[2]和名は人間が接近しても地表での動きが緩怠で、捕殺が容易だったことに由来する。[1]1887年に羽毛採取が始まった[7]当初は主に輸出用だったが、1910年に羽毛の貿易が禁止されてからは日本国内での流通目的のために採取され計6,300,000羽が捕殺されたと推定されている。[2]以前は小笠原諸島、大東諸島、澎湖諸島(台湾)でも繁殖していたが、繁殖地は壊滅している。[2]1939年には残存していた繁殖地である鳥島が噴火し1949年の調査でも発見されなかったため絶滅したと考えられていたが、1951年に鳥島で繁殖している個体が再発見された。[2][4][7]以降測候所(後に気象観測所)による監視と保護が続けられていたが、1965年に群発地震による気象観測所の閉鎖に伴い保護活動は休止した。[2]1976年から調査や保護活動が再開しハチジョウススキ(1981年、1982年)やシバの植株と土木工事による繁殖地の整備、1992年には崩落の危険性が少ない斜面に模型(デコイ)を設置し鳴き声を流す事で新しい繁殖地を形成する試みが進められ繁殖数および繁殖成功率は増加している。[2][7]1971年に南小島の個体群も再発見され、1988年には繁殖が確認されている。[2][4][5]日本では1958年に国の天然記念物、1962年に特別天然記念物、1993年に種の保存法施行に伴い国内希少野生動植物種に指定されている。1951年における生息数は30-40羽、1999年における生息数は約1,200羽と推定されている。[2]
絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)関連項目
- アホウドリ科
- アホウドリ属
参考文献
- ^ a b c 安部直哉 『山渓名前図鑑 野鳥の名前』、山と渓谷社、2008年、36-37頁。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ1 ユーラシア、北アメリカ』、講談社、2000年、60-63、190頁。
- ^ a b c d e f g h 桐原政志 『日本の鳥550 水辺の鳥』、文一総合出版、2000年、28-29頁。
- ^ a b c d e f g h i 高野伸二 『フィールドガイド 日本の野鳥 増補改訂版』、日本野鳥の会、2007年、66-67頁。
- ^ a b c d e f g 中村登流監修 『原色ワイド図鑑4 鳥』、学習研究社、1984年、139、172頁。
- ^ a b c d e f g h i j 真木広造、大西敏一 『日本の野鳥590』、平凡社、2000年、19頁。
- ^ a b c d e f g h i 『小学館の図鑑NEO 鳥』、小学館、2002年、16-17頁。
外部リンク
- The IUCN Red List of Threatened Species
- BirdLife International 2008. Phoebastria albatrus. In: IUCN 2009. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2009.2.
- 文化庁
- 環境省
- 環境省 自然環境局 生物多様性センター