ヘラジカ
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ヘラジカ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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ヘラジカ Alces alces | |||||||||||||||||||||||||||||||||
保全状態評価 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Alces alces (Linnaeus, 1758) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
ヘラジカ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Moose Elk |
ヘラジカ(箆鹿、Alces alces)は、哺乳綱偶蹄目シカ科ヘラジカ属に分類されるシカ。本種のみでヘラジカ属を形成する。別名オオジカ。
目次 |
分布
ヨーロッパではエルク(elk,älg)と呼ばれ、北アメリカではムース(moose)と呼ばれる。ムースの語源はマリシート族(Maliseet)の言語で同種を指すムス(mus)である[1]。なお、北アメリカではシカ属のアメリカアカシカ(ワピチ)がエルクと呼ばれている。
形態
体長240-310cm。肩高140-230cm。体重200-825kg。シカ科最大種であり、北方に生息する偶蹄類でも最大級の動物である。雄の成獣は箆のように平たい角を持つことが和名の由来。角は大きく最大で200cmを上回る。
吻端は長くて太く、雄の咽頭部の皮膚は垂れ下がっている。これを肉垂という。
生態
針葉樹林と針葉樹と落葉樹の混合樹林に生息する。夏は単独もしくは数頭の群れで生活するが、冬になると10頭前後の群れを形成する。天敵としてはオオカミ、クズリ、トラ、ヒグマ等が挙げられる。攻撃は前足や後ろ足を使った強力な蹴りで、角を使うことはあまりない。
食性は草食性で、木の葉や樹皮、地面に落ちた種実類、水草等を食べる。代表例としてはヤナギやカバノキ。
水場を好み、夏にはよく水場に来て、水中の水草を食べたり、泳いで体に付いた寄生虫を落としたりする。
人間との関係
ヨーロッパには、石器時代からヘラジカ猟が行われていたことを示す洞窟壁画が残っており、スウェーデンのエーランド島南部のアルビー(Alby)付近では、紀元前6000年代頃の木の小屋の遺構からヘラジカの角が出土している。 北ヨーロッパでは、石器時代から19世紀まで地面に深い穴を掘ってヘラジカを追い落とす猟法が用いられていた。
道路に飛び出し交通事故により命を落とすことがあり、しばしば深刻な人身事故にもつながる。特に夜道では、体色が黒っぽく、頭部が高い位置にあるためドライバーが気づくのが遅れることが多く、衝突すると車のバンパーが当たった衝撃で細い脚が折れ、巨大な胴体が上方から運転席を押しつぶす形で倒れてくるため、エアバッグが展開したとしても大した効果が望めない。このためスカンディナヴィアとドイツでは、自動車の開発にヘラジカとの衝突を想定したヘラジカテストを導入している。ヘラジカが多く生息する地域では、道路標識に本種が描かれて注意が促されている。カナダのニューブランズウィック州では、新しく敷設される高速道路でヘラジカとの衝突が頻発する部所にフェンスを設けてヘラジカの横断を防いでいる。
ロシアでは旧ソ連時代(1940年代)に人に慣れやすい個体を選択して繁殖することでヘラジカを家畜化する研究が始まり、ソ連崩壊後も継続している。商業的に成功しているとは言えないが、ヘラジカの生理学や行動学、動物の家畜化の研究に貢献している。
日本で見られる動物園
アメリカヘラジカ
シベリアヘラジカ
その他
- カナダでは、ビーバーと共に国を象徴する動物とされている。スウェーデンとノルウェーでも「森の王」と呼ばれるヘラジカが国の動物とされている。ノルウェーでは自治体の紋章にもヘラジカが描かれることが多い。
- アメリカ合衆国のメイン州では州の動物に、アラスカ州では州の陸生哺乳類になっている。
- アメリカ合衆国大統領セオドア・ルーズベルトは、自らの政治的姿勢を執拗な繁殖期の雄のヘラジカに例えて「私は雄のヘラジカ(ブル・ムース)のように強い」("I am as strong/fit as a bull moose")と発言した。このためルーズベルト率いる進歩党もブル・ムース党という愛称で呼ばれた。バーモント州の進歩党も雄のヘラジカを党のシンボルに使用している。
- 西洋では、ヘラジカは無口でお人好しだがあまり頭の回転が速くないキャラクターにされることが多い。ディズニーのアニメーション映画『ブラザー・ベア』のトゥークとラット、フラッシュアニメのHappy Tree Friendsのランピーがよい例である。
- 北米での呼称・ムースは元プロ野球選手の野村克也の愛称でもあった。
- シアトル・マリナーズのマスコットはマリナー・ムースという。
- 米国のアパレル会社アバクロンビー&フィッチのシンボルはヘラジカである。
- デンマークの天文学者ティコ・ブラーエはヘラジカを飼っていたが、そのヘラジカはあるとき、宴席でビールを飲んで酔っぱらい、階段から転げ落ちて足を折り死んだ[2]。
- 北海道テレビのバラエティ番組である「水曜どうでしょう」の「YUKON6DAYS ~160kmカヌー地獄~」という企画で大泉洋が「ムース汁」なる料理を作った。豚汁の豚肉をムースに代えたもので、鈴井貴之などの共演陣からの評価は高かった。
ギャラリー
Moose Skane Sweden.jpg | Moose.jpg | Poland Kampinos Alces alces 1.jpg 雌 | Élan RMNP.jpg 雌と仔 |
Moose calf.jpg 幼獣 | Alces alces chrapy p.jpg 口吻 | Alces alces ears p.jpg 耳 | Hirvieläimiä 155.svg フィンランドの道路標識 |
Newfoundland Moose Sign.jpg カナダの道路標識 |
参考文献
関連項目
- シカ
- シアトル・マリナーズ
- ムースヘッド:瓶のデザインにヘラジカをあしらったカナダのビール
ba:Мышы