地方
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地方(ちほう)は、特定の土地を指す言葉である。使用法は複数ある。
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地方区分
大きい土地を幾つかに分けた時の「区域」「区分」を意味する使用法である。
注目する大きな土地を幾つかに分けた時、分けられたそれぞれを「地方」という。この場合、区分された「地方」には、行政権が付与されていないことが通例。都道府県内の支庁や広域行政圏なども該当。
- 例:日本国の関東地方、山形県の庄内地方、タイ王国の東北地方など。
- 一般的に国内の他の行政区分に比して人口密度が極端に小さい場合に「地方」に行政権を付与する。例:日本の北海道地方、ロシア連邦における「クライ(край)」(沿海地方など)。各国の準州。
一定の地区とその周囲
小さい土地(観光地など)・一定の地区(都市など)に着目し、それと関連する周囲の地域を含めた時、全体で「地方」や「エリア」という。注目している土地が都市機能を集積している場合、「都市圏」「経済圏」という語を使う場合もある。
地方公共団体
「国家(中央)」に対して「地方公共団体」を意味する用法である。
政治や行政の分野では、「中央」といえば国家機関を指す。その逆に、都道府県以下の機関は「地方」であり、東京都、大阪府、ベルリン市やラツィオ州などは地方公共団体となる。すなわち、政治や行政における「地方」とは、国権以外のものを指す。
詳細は「地方公共団体」を参照
支社・営業所等
「本社」に対する「支社」「営業所」「事業所」などを意味する用法である。
企業の本社機能を多く持つ東京や大阪などは、経済の中心地として「中央」と呼ぶに値する。他方、その他の地域は「地方」と呼ばれる。また、経済における中央は、「重要事項の決定権を持つ」という意味もあり、地方はそれにならうことが多い。そのため、東京に本社(中央)がある場合でも、下部機関として、東京を管轄する地方営業所(東京営業所=地方)が設置されることがある。他方、東京や大阪以外に本社や本拠地がある企業体などの場合は、その企業体の中で東京・大阪は地方となる。
首都・首都圏以外の都市
「首都」もしくは「首都圏」に対する「首都以外」「首都圏以外」
前3者の定義では、東京という都市は「地方」であり、東京も「本社」に対する「地方」となりうるが、一般的にこの定義では東京は現在「地方」ではない。詳細は「日本の首都」を参照
地方圏
「三大都市圏」に対する「三大都市圏以外の都市圏」の意味での用法である。
日本では、三大都市圏に属する都府県以外の道県は「地方圏」と呼ばれる。この「地方圏」という言葉は、しばしば「地方」と省略される。代表的な例を挙げれば、札幌都市圏、仙台都市圏、広島都市圏、福岡都市圏等の都市圏がこの「地方圏」に該当する。他
- 相対的評価として、「都会」に対する「田舎」を意味する用法。
- 「ヒト・モノ・カネ・情報の集積度が高く、便利な生活が出来る都市」に対し、そうではない地域を「地方」とする見方。主観的な評価であるため、この定義で地方かそうでないかの判断は人により異なる。
関連項目