学力
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学力(がくりょく)とは、人間活動における基礎となる学ぶ力のことである。
概要
学力は、人間の基礎的な能力の1つである。人間は、「学力」を駆使することによって、さまざまなことを経験し、その経験から新しいことを学ぶことができる。人間活動の質に差違をもたらすものの1つに学力もあると考えられており、近代以降において学力は、十分な施設(校舎・運動場など)・人材(教員など)などを有する学校によって保証されなければならないという思想が広がった。そのために義務教育の制度が定められた。
学力を狭義に捉えれば、学校教育(就学前教育・初等教育・中等教育・高等教育)によって修得した能力とされるとともに、学校教育によって得ていなくても学校教育で得られる能力と同質のものも学力とされる[1]。
学校における教育には、目的(なぜ行うのか、why)および目標(何を行うのか、what)が規定されており、学力検査は、教育の「目的および目標」に基づいて学力を測定する。しかし、測定できる事項には限りがあり、主体性・自律性・協調性・感受性などの測定は、困難である。
脚注
- ^ 日本においては、狭義の学力の概念でも、幼稚園教育から大学院教育までの質的・量的な広がりがあり、学校教育法(昭和22年法律第26号)では、「学力」の語を多用している。
学校教育法の第104条第2項においては、「大学は、文部科学大臣の定めるところにより、前項の規定(大学院〔専門職大学院を除く。〕の課程を修了したこと)により博士の学位を授与された者と同等以上の学力があると認める者に対し、博士の学位を授与することができる」という規定がある。この規定は、当該大学の大学院(専門職大学院を除く)の課程に基づいた当該「博士の学位」を有していなければ、誰もが、学力を測定される対象者となり得ることを示している。