華道
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華道（かどう）とは植物のみや、植物を主にその他様々な材料を組み合わせて構成し、鑑賞する芸術である。
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解説
華道は「花道」とも表記し、またいけばな（生け花、活花、挿花）とも呼ばれる。 ただし華道という呼称は「いけばな」よりも求道的意味合いが強調されている。華道にはさまざまな流派があり、様式・技法は各流派によって異なる。華道は日本発祥の芸術ではあるが、現代では国際的に拡がってきている。欧米のフラワーデザインは、3次元のどこから見ても統一したフォルムが感じられるように生けるとされる。華道の場合、鑑賞する見る方向を正面と定めている流派も多くあるが、3次元の空間を2次元で最大限に表す流派もある。また華道は色鮮やかな花だけでなく、枝ぶりや木の幹の形状、葉や苔となどすべてを花材とし鑑賞する点でも、海外のアレンジの概念とは一線を画している。
起源
華道の起源は古代からのアニミズムの流れとして、採取した植物を住居などである空間にて再構成する行為に基づくという研究もある。植物は動物と異なり、切り落としても適切な処置すればある程度生命を維持することができる。こうした植物の特性に神秘を見たとも考えられる。それは常緑樹信仰にも通じ、人間の手の及ばない神秘の力を花器の上で包括的に管理してしまおうとする試みであるとも考えられる。
歴史
華道の発祥は仏教伝来に際し花を献じる供花に由来するという説が有力である。また一輪挿しなどに挿した花を愛でる習慣は、古くは平安時代あたりまで遡り、たとえば『枕草子』などの文献史料からたどることができる。当初は既存の器を利用していたが、後に専用の花器が製作されるようになった。
華道の確立は室町時代中期、京都六角堂の僧侶によるものとされる。僧侶は代々池のほとりに居住していたことから「池坊（いけのぼう）」と呼ばれていた。そうした呼び名がのちに流派の名前となる。家元、宗家らによって江戸時代中期にかけて立花（たちばな、りっか; 「立華」とも書く）と呼ばれる型が大成されていった。その後江戸中期から後期になると、華道はそれまでの上流階級・または武家階級のものから広く庶民のたしなみへと変化し、生花（しょうか、せいか）を中心に広く愛さるようになった。
今日の華道のといえば江戸時代後期、文化文政の時代に流行した生花、挿花のことを指すことが多い。池坊から派生した未生流系、古流系、遠州系などの流派から技巧の達人・名手が多く登場し、多くの流派にわかれていくきっかけとなる。
江戸末期から明治初期の頃、世界的なニッポン文化ブームにより華道・いけばなが欧州に紹介され、ヨーロッパのフラワーデザインにラインアレンジメントの手法として影響を与えた。国内ではやがて花姿は時代の流れに即し、なげいれ花、盛花（もりばな）などさまざまな型が編み出された。また異種花材として植物以外のあらゆる材料も「花材」として盛んに取り入れられている。
華道の代表的流派
（五十音順）
- 池坊（いけのぼう）開祖・池坊専慶が京都の六角堂池坊の僧侶だったことに因む
- いけばな京花傳（いけばなきょうかでん）
- 伊勢草木藤野流（いせそうもくふじのりゅう）
- 一葉式いけ花（いちようしきいけばな）
- 小原流（おはらりゅう）
- 御室流（おむろりゅう）御室御所『仁和寺』を家元とする流派
- 桂古流（かつらこりゅう）桂宮家華務職を流祖とする流派
- 華道瑩心流（かどうえいしんりゅう）
- 華道遠州（かどうえんしゅう）江戸後期のマルチアーティスト・茶人の小堀遠州公を祖とする
- 華道表現派（かどうひょうげんは）
- 華道高野山（かどうこうやさん）
- 光風流（こうふうりゅう）
- 古流理恩会（こりゅうりおんかい）
- 古流かたばみ会（こりゅうかたばみかい）
- 古流松應会（こりゅうしょうおうかい）
- 古流松藤会（こりゅうしょうとうかい）
- 嵯峨御流（さがごりゅう）嵯峨御所『大覚寺』を家元とする流派
- 青山御流（せいざんごりゅう）公家の末裔、園家（伯爵）により相伝されている流派
- 石州流華道（せきしゅうりゅうかどう）
- 松月堂古流（しょうげつどうこりゅう）公家の末裔、植松家（子爵）により相伝されている流派
- 専慶流（せんけいりゅう）
- 相阿弥流（そうあみりゅう）
- 草月流（そうげつりゅう）
- 月輪未生流（つきのわみしょうりゅう）皇室の菩提寺『泉涌寺』を家元とする流派
- 八代流（はちだいりゅう）足利八代将軍義政公を高祖とする流派
- 未生流（みしょうりゅう）
- 未生流笹岡（みしょうりゅうささおか）
- 都古流（みやここりゅう）
- 雅流（みやびりゅう）
- 山村御流（やまむらごりゅう）山村御殿『円照寺』を家元とする流派
- 容真御流（ようしんごりゅう）
- 龍生派（りゅうせいは）
いけばなの代表的個人作家
（五十音順）
- 石川龍
- 石野田五十鈴
- 大塚理司
- 大坪光泉
- 大吉昌山
- 尾中千草
- 粕谷明弘
- 柿崎順一
- 假屋崎省吾
- 川瀬敏郎
- 工藤和彦
- 栗崎昇
- 古作厚子
- 下田尚利
- 杉崎宗雲
- 州村円芳
- 千羽理芳
- 谷口雅邦
- 土屋宗良
- 長井理一
- 中川幸夫
- 早川尚洞
- 日向洋一
- 古川知泉
- 松田隆作
- 吉村華泉
関連項目
外部リンク
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