部落
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部落(ぶらく)
- 古代以来、中華王朝が中原的文明を受容せず、定住民に同化していない遊牧民の遊牧集団、共同体を呼んだ語。「落」は、ゲルのような天幕住居がいくつか集まって家畜を従えた単位家族集団、「部」はたとえば冬営地を共にするなど、「落」がいくつも集まって連合し、越冬生活や軍事行動の単位となるような共同体を指す。
- 農山漁家を主とする集落、およびそこで機能する共同生活体。明治政府が近代化を目的に町村制導入に際して解体を試みるが果たせなかったため、昭和15年に内務省が町村の下部に位置する自治組織「部落会」として法制化した。戦後連合国軍最高司令官総司令部により解体され行政的な機能は失ったが、元々共同生活体に根ざした組織だったため部落の呼称・集団は残っている。町村制における「大字」単位の集落、地域。
- 被差別部落・特殊部落を省略した言葉 → 部落問題。この意味の「部落」は「buraku」として英語、フランス語にもなっているようである[1]。かつて英語では特殊部落を直訳して「special hamlet」と表現された時期もあったが、最近では海外文献、ホームページでもburakuが主流である[2]。
- 中国語でブログの意味
タブー化
日本では、「集落」に近似した意で(ただし、地理学的な意味合いの強い「集落」より共同体的側面、そこにある人間の紐帯に焦点を置いた社会学的語法として)広く用いられてきたが、近年では被差別部落の意味を連想させるとして、事実上放送禁止用語の扱いとなるなど公的場で用いられることがはばかられるようになっており、メディア等では「集落」を用いるのが通例となっている。ただし、今もこの語を集落に基盤を置いた共同体の意味で用いる人々は多く(北海道、東日本、九州、南西諸島において顕著)、地域によっては町内会や自治会を「部落会」、町内会長や自治会長を「部落長」と称している。他方、「部落」の語から被差別部落を想起する地域(近畿地方を中心とした西日本において顕著)から仕事や旅行などで訪れた人がこの用法に触れ、一瞬緊張するケースもある。
一種のメディアや思想団体による言葉狩り、過剰な自主規制だと非難されることも少なくない。
脚注
関連項目
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