非常識
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非常識(ひじょうしき)とは、常識的でないこと、社会構成員として必要とされる価値観・知識・判断力を欠いていること、またその人。
概要
常識が、ある社会において通念的に当然とされている価値観・知識などであるのに対し、非常識はそれらを知らない、あるいは知っていてもそれに沿おうとしない言動である。このため一般的な社会においては好ましくないとされる。
ただし、常識というもの自体が、それぞれの場所により時代により、そしてそれが属する社会により異なること、所定の文化など共通認識に基づく特定の思考回路を経て得られた規範であることを考えれば、この非常識と評される言動が、本当に非難の対象であるかは厳密な検討を要する。例えば、日本において中指を立てて相手に見せることにそれほど強い意味は無いが、アメリカやヨーロッパに置いては相手に対する強い侮辱となり、これを安易に行なうことは非常識であるとされる。いわゆるマナーなど、所定の状況において必要とみなされる行動規範に関しても、価値観の異なる他の文化に属する人にとっては不快感を催させる行動であることもまま見出せる(→食事作法における犬食いなど)。
また、大体において社会常識と個人の常識は乖離することがないため気付きにくいが、自分の常識と他人の常識が違い軋轢を生むと言うケースもままある。家庭は個人の属する社会の最小単位にして、属する各々価値観を共有すると共に、そこに育った人間の価値観を形成する雛形ともなるが、その過程においてある家では容認される行動が、ほかの家では非常識だとして顔をしかめられることなどはよくある話である。
一般に非常識とされるケースが多い行動
さまざまなものがあるが、犯罪や権利侵害にあたるものや、数回の行為では、犯罪や権利侵害に該当しないものでも、累積すると該当するものもある。
- 人に会っても挨拶しない、礼を言わない
- 知らない人の家に無断で上がる
- 深夜に人の家に電話をかける 等
また、2005年に話題となった「騒音おばさん」や、「ゴミ屋敷」など隣人が敢えて周囲に対し非常識ともとれる行動を起こすこともある。当然精神的な障害を負えば傷害罪や各自治体の迷惑防止条例違反が適用されることもある。